本記事は、以下の3つの記事を読んでいることが前提の内容です。
・ MPLS-VPN 検証構成とコンフィグ設定 その1(PE-CE間でstatic routeを使用するケース)
・ MPLS-VPN 検証構成とコンフィグ設定 その2(PE-CE間でstatic routeを使用するケース)
・ MPLS-VPN 検証構成とコンフィグ設定 その3(PE-CE間でstatic routeを使用するケース)
今回の記事では、PE ⇔ CE間で「OSPF」を使用する場合のコンフィグ設定例を紹介します。
MPLS-VPN検証構成図
前回(PE-CE間でスタティックルートを使用する構成)と同じ以下の構成でコンフィグを紹介していきます。下図の通り、物理的にも検証ルータには7台使用します。
MPLS-VPN Step1:CEルータのコンフィグ設定
CEルータにはMPLSやVRFの設定は必要ありません。
PE ⇔ CE間のルーティングプロトコルに何を使用しようが、CEルータにはMPLSやVRFの設定は必要ありません。IP-VPN網をWAN回線として使用している場合、企業側(カスタマー側)のネットワーク機器の設定にはMPLSやVRFの設定を行いませんよね。同じことです。
次の設定例では、CEルータとPEルータ間のIPアドレスに「 172.16.X.0/24 」を使用します。End-to-Endの通信にはloopbackアドレスを使用します。
前回のCE ⇔ PE間でスタティックルートを使用している時のconfigと違う点を赤字にします。
◆ CE1
interface loopback1
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
ip ospf network point-to-point
interface GigabitEthernet0/0
ip address 172.16.1.1 255.255.255.0
router ospf 100
network 192.168.1.1 0.0.0.0 area 1
network 172.16.1.1 0.0.0.0 area 1
◆ CE2
interface loopback1
ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
ip ospf network point-to-point
interface GigabitEthernet0/0
ip address 172.16.2.1 255.255.255.0
router ospf 100
network 192.168.2.1 0.0.0.0 area 1
network 172.16.2.1 0.0.0.0 area 1
◆ CE3
interface loopback1
ip address 192.168.3.1 255.255.255.0
ip ospf network point-to-point
interface GigabitEthernet0/0
ip address 172.16.3.1 255.255.255.0
router ospf 100
network 192.168.3.1 0.0.0.0 area 1
network 172.16.3.1 0.0.0.0 area 1
◆ CE4
interface loopback1
ip address 192.168.4.1 255.255.255.0
ip ospf network point-to-point
interface GigabitEthernet0/0
ip address 172.16.4.1 255.255.255.0
router ospf 100
network 192.168.4.1 0.0.0.0 area 1
network 172.16.4.1 0.0.0.0 area 1
CEルータの設定はCCNAレベルですが、コンフィグの注意点として次の2点を抑えましょう。
1. CEに設定するOSPFのプロセス番号は任意です。
⇒ つまり、PEとCEとで合わせる必要はありません。今回は適当に「100」とします。
2. PE-CE間で設定するエリア番号は任意です。
⇒ 今回はPE-CE間で使用するエリア番号は適当に「1」とします。
次回以降で「PEルータ」と「Pルータ」のコンフィグを紹介していきます。